”ごびらっふ”


27-16

周囲の田んぼも水が張られ、苗が植えられている。
すでに結構伸びている所もある。

カエルの合唱がやかましいという人もいるだろうけど、これはこれで心地良いものである。

さて、カエルの季節ということで・・・

「ごびらっふの独白」

るてえる びる もれとりり がいく。
ぐう であとびん むはありんく るてえる。
けえる さみんだ げらげれんで。
くろおむ てやあら ろん るるむ かみ う りりうむ。
なみかんた りんり。
なみかんたい りんり もろうふ ける げんけ しらすてえる。
けるぱ うりりる うりりる びる るてえる。
きり ろうふ ぷりりん びる けんせりあ。
じゆろうで いろあ ぼらあむ でる あんぶりりよ。
ぷう せりを てる。
りりん てる。
ぼろびいろ てる。
ぐう しありる う ぐらびら とれも でる ぐりせりや ろとうる ける あり  たぶりあ。
ぷう かんせりて る りりかんだ う きんきたんげ。
ぐうら しありるだ けんた るてえる とれかんだ。
いい げるせいた。
でるけ ぷりむ かににん りんり。
おりぢぐらん う ぐうて たんたけえる。
びる さりを とうかんてりを。
いい びりやん げるせえた。
ばらあら ばらあ。

”ごびらっふ”という名前の蛙が蛙語で表した詩である。

しかし、このままでは意味不明ですから日本語訳を以下に載せておきます。

日本語訳

幸福といふものはたわいなくっていいものだ。
おれはいま土のなかの靄のような幸福に包まれてゐる。
地上の夏の大歓喜の。
夜ひる眠らない馬力のはてに暗闇のなかの世界がくる。
みんな孤独で。
みんなの孤独が通じあふたしかな存在をほのぼの意識し。
うつらうつらの日をすごすことは幸福である。
この設計は神に通ずるわれわれの。
侏羅紀の先祖がやってくれた。
考へることをしないこと。
素直なこと。
夢をみること。
地上の動物のなかで最も永い歴史をわれわれがもってゐるといふことは平凡ではあるが偉大である。
とおれは思ふ。
悲劇とか痛憤とかそんな道程のことではない。
われわれはただたわいない幸福をこそうれしいとする。
ああ虹が。
おれの孤独に虹がみえる。
おれの単簡な脳の組織は。
言わば即ち天である。
美しい虹だ。
ばらあら ばらあ。


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